トマトは永遠のライバル

岡山県在住。うどんにコロッケを浮かべて食べています。日常や本、ムービーのことを書いています。

5月4日(火)寄せるか寄せないかでせめぎあった『るろ剣 最終章The Final』

 映画館へほぼ1年ぶりに行きました。住んでいるところに映画館がないので、クルマで約2時間運転して岡山市内の郊外にあるTOHOシネマへ。館内にはドラえもんがソーシャルディスタンスを啓蒙する動画やポスターがありました。館内の雰囲気も変わった・・・。

 

 みた作品はもちろん『るろうに剣心 最終章The Final』。前作から7年。
 わたし、読むのに時間がかかるからマンガは全く読まないのですが、『るろうに剣心』だけは小学生の頃に読んで以降、単行本も完全版も文庫版も所持し(今はないけど)、アニメもOVAもビデオに録画して何度も見返していたほどの古のオタクです。やってないのはゲームと二次創作だけ。あと今の連載読んでません…すみません。

 

 過去のるろ剣実写映画も全部みており、1作目は大学生の頃。キャスティングと作り込みに興奮しました。2作目の2部作は解釈違いのファンが大騒ぎしていた傍ら、わりと冷静にみていたと思います。奥義伝授のくだりが長いと思ったのと、剣心の師匠比古清十郎役に対して製作側の楽屋落ちを感じたくらいです。田中泯さんと伊勢谷友介さんのアクションが好きです。動けるジジイを真っ当に表現してましたね。

 

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 今回のるろ剣映画は、罪の意識に苛まれている緋村剣心と、罰を遂行しようとする雪代縁の「罪と罰」対決です。単行本では確か18巻から最終巻の28巻までの十巻分。だから剣心の過去のことは必然的に出てくるのですが、そこでのキーパーソン雪代巴は、映画2作目当時から誰がキャスティングされるのかSNSでよく予想されていました。薄幸の美人という設定上、誰もが納得するキャスティングなんてありえないという雰囲気でしたが、蓋を開けたら手のひらを返して絶賛されていたような気がします。

 

 上映中はドキドキしながら鑑賞しました。もちろんおもしろかったです(もちろんところどころ「ん?」というところがありましたが)。でも映画館を出るときに、他の客が「ちょっと暗すぎだよあれ」と感想を言っていたのを聞いて、わたしはるろ剣映画を純粋な気持ちでみてなかった、原作のストーリーを頭の隅でチラつかせながらみていたことに反省いたしました。たしかに暗い設定です。

 

 

 またまた原作つながりで申し訳ないんですけど、序盤で「これは!」と目を見開くほど原作と全く見た目が同じ方がいらっしゃて、それは浦村署長の妻と娘役です。ちょっとしか出ないんですけど「マンガから飛び出したかのような」っていう表現はまさしくあの二人だと思います。まだ見ていない方はチェックして頂きたいです。

 

 あとこれ上映中ずっと思っていたんですが、髪型や衣装を使って、なるべく現実に近い形でキャラに寄せている役者がほとんどだから、キャラに寄せなくても説明がついてしまう雪代巴役がめちゃくちゃ浮いていた気がしました。例えば斎藤一はヤニカスだから出る場面は常に煙草を右手にプカプカ煙を出しています。ちなみに右手にタバコ持っているのが気になっていたけど、いつでも鯉口切れるよう左手をフリーにしていたのかもしれません。牙突も左片手一本突きだしなあ…。相楽左之助はなぜか胸元が汗ばんでて(あれほんとなんなの?)、血気盛んな感じがありましたね。一方で雪代巴は悪い意味ではないんですがこれといった特徴を出しておらず、逆にキャラクターでなく役者のほうに目が行ってしまうというか、とにかく非常に浮いていました。剣心の師匠の比古清十郎役にも同じような思いがあったのですが、次作は緋村剣心と雪代巴が中心の話だからちょっとみるのキツイかもしれません…これも原作厨の性なのだと実感しました。

 一方で雪代縁ご一行が気球で降りてくるあたりは原作に寄せすぎて「そこは寄せるのかよ!」と原作厨アラートが発動しました。あれじゃただの壮大プロモーションじゃん。まあそれはそれで面白かったけど。

 

 るろ剣の推しは四乃森蒼紫と巻町操ですが、演じている伊勢谷友介さんと土屋太鳳さんは良い組み合わせでした。蒼紫は衣装がカッコよくて、動いているときの裾の靡きも様になっている。だから途中退場したのは残念でした…。巻町操の出番が多かったのは嬉しかったです、この2人を主人公にした映画作ってくれないかな。

 

 次回作もちょっと不安だけど楽しみに公開を待ちます。スチール見る限り北村一輝さんが別人に見える。

 

 おわり。